通っていたBarが閉店した。 30年近く同じ場所、同じ時間に営業していた。 「1年で360日は営業してるよ!」と自慢げに笑みを浮かべながらいつもマスターは誇らしげだった。 「もうトシだしこのへんで!」とだけいうマスターの潔い幕の降ろしかただったのだけれど 「実は単月赤字が出る月が結構あるんだよね...」と客のいない夜の深い時間にぽろっとこぼした。 それでも続けていくこともできなくもないし、時々来てくれる人(酔っ払い)の期待も裏切りたいわけではない。 でも続けていく意味と言うのかな?このBarじゃないといけない理由を探しても見つからなかった。 「次にやりたいこともあるしね」と笑いながらいうマスターの表情は清々しさもありつつもさみしげに見えた。 マスターほどではないかもしれないけど、この感覚知っているような気がした。 学校の部活の大会とか、ラスボスを倒してエンディングを迎えるRPGとは違う感覚