文章: 塩谷舞 「大阪万博のすこし前に、田舎からここに越してきたから」 「あの時は、外国の人がほんまに、ようさんきてねぇ」 小学校の頃、「地域のおとな」に話を聞こうというフィールドワークで、おとなたちは決まって、とても誇らしそうに、大阪万博の話をした。 正式名称は、日本万国博覧会。 それは私が生まれるより18年前のこと。 もう還暦を過ぎた父と母がまだ子どもだった頃、アジア初の万国博覧会が「家のすぐそこ」で開催されていたというのは、それはそれは誇らしい出来事だったんだろう。 テレビで高度経済成長の話題が出るたびに、「こんにっちは〜 こんにっちは〜 世界の〜 国から〜」という歌詞と共に、セピアがかった大阪万博の映像が流れる。千里ニュータウンという大規模なベッドタウンが、豊かになった日本の象徴として紹介される。そのたびに、おとなたちはみんな「ワッ!」となって、それぞれの昔話を語りだした。 「昭和
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