さて先月、俺こと済東鉄腸、30にして早くも自伝というものを出版させてもらった。その名も「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話」だ。この規格外に長ったらしい題名、俺としてはめちゃ気に入っている。 それはさておき本を出版するって決まった時から、絶対にしたいって思ってたことがあった。 それは印刷工場と製本工場に見学に行くこと! だってさ、正に自分が書きあげた本が一体全体どういう風に作られるのか、どういう風に生まれるのかを実際にその目で確かめたくない? しかも俺にとって今回の本が初著作なわけで、今行かずいつ行くんだ!?って感じだった。 それに加えて、俺はクローン病っていう腸の難病になってから、自分の内面よりも己の肉体を含めた心の外側に興味を持ち始め、そっから科学書を読みまくり始めたんだけど、こうすると物質そのものに興味が出てくるんだ