あれから10年が経った。 駒大苫小牧と早稲田実業による、決勝戦再試合のことだ。 2日間に及んだ2人の投手の投げ合いは、彼らのその後のライバルストーリーを予感させ、多くの感動を呼んだが、一方で目を背けてはいけない現実もみえてきた。 2006年の大会で優勝投手となった早実の斎藤佑樹(日本ハム)は、7試合に登板、69イニング948球を投げた。優勝するために投げ切った姿は見事だったが、その後、斎藤が「あの時」ほどのパフォーマンスを見せたことはない。駒大苫小牧・田中将大(ヤンキース)もメジャーに移籍した年、右ひじ靭帯の部分断裂を患った。 果たして、この10年で日本の野球界はあの激闘から何を学んだのだろうか。 第98回全国高校野球選手権大会決勝戦は、作新学院が7-1で北海を下し、54年ぶりの頂点に立った。 奇しくも決勝の先発マウンドには、大会を通してすべての試合に先発してきた2人の右腕が立った。昨今は
![甲子園の投手起用を改めて考える。決勝は、全試合先発のエース対決。(氏原英明)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ed17d92456d60cb2698d75e86d05a8d46e78af4c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F6%2F5%2F-%2Fimg_6541306a2ed8063d6056ecc460c8808465907.jpg)