◇まき割りで鍛え、自然に 分娩制限施設、予約に苦労も コン、カコーン−−。うっそうと木が生い茂る庭に、まき割りの音が響く。おのを握るのは、大きなおなかを抱えた妊婦たちだ。 愛知県岡崎市の産院「吉村医院」では、妊婦がまき割りや井戸水くみといった「作業」に汗を流す。お昼には江戸時代に建てられた古民家で、まきで炊いたご飯をほおばる。 吉村医院は「本当の自然なお産」を実践している。帝王切開や、赤ちゃんを産道から引き出す吸引分娩(ぶんべん)などの医療行為をできるだけ行わず、母子の力でお産をやり遂げることを目指す。そのために、妊婦の体作りを重視する。妊娠中は「作業」のほか、自宅で毎日2〜3時間歩き、スクワットを200〜300回続けるよう指導する。 体力と気力を培い、和食に徹した食生活で臨んだお産では、「赤ちゃんがつるっと生まれてくる」という。田中寧子副院長は「妊娠中の取り組みがあるからできる、計画的な