1、作品の概要 2009年に刊行された、中村文則6作目の小説。 主人公は刑務官で、拘置所で収容者たちの世話をする仕事をしている。 自らの心の不安定さと向き合いながら、夫婦を刺殺した未決囚・山井を担当し、徐々にお互い心を開くようになっていく。 2、あらすじ 乳児院の前に捨てられて、施設で育った「僕」は心の不安定さを抱えながら30歳になり刑務官をしている。 かつては自殺も企て、トラウマを抱えていた「僕」だったが施設の施設長である「あの人」に助けられて若干の不安定さを抱えながら、大人に成長していった。 しかし、「僕」は子供の頃から「死んだ全裸の大人の女を海辺で膝の上に乗せている」という奇妙で、現実的にはありえない記憶に悩まされていた。 そんな中、夫婦を刺殺した事件を起こした20歳の未決囚・山井を担当するようになり、次第にお互い心を開いていくようになる。 「僕」は17歳で自殺したかつての親友・真下
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