増田文学に関するtama132のブックマーク (1)

  • 脱皮に失敗した蝉

    自分のことを何か別の生き物としてイメージしてみろ、と言われたら、 私は自分が脱皮に失敗した蝉の幼虫だと例える。 多分小学生の時だ。 蝉の抜け殻は美しくて好きだった。 透明な飴色の細部まで奇跡のように形作られた精巧な殻。 夏になると私は、公園の木の幹を抜け殻を集めて回った。 それを見つけた時は、なんだか奇妙な抜け殻だと思った。 半分が白く濁ってその上に飴色の皮がかぶさって居るように見えた。 私はその時、多分まだ低学年で幼かった。 喜んで、その珍しい抜け殻を手にとって、母に自慢しようとした。 すごい抜け殻を見つけたよ、と。 ところが母は、少し顔を歪めて、 この虫は、大人になるのに失敗してしまったのね、 かわいそうだから、埋めてあげましょう、と言った。 そう、それはなんらかの原因で、脱皮の途中に息を絶えた蝉の幼虫の死体だった、というわけである。 その時は、おそらく幼すぎて、脱皮に失敗した死骸とい

    脱皮に失敗した蝉
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