図1 ソニー 情報技術研究所 通信研究部 統括部長の小高健太郎氏(左)と,通信研究部 R&D推進室 通信システム担当部長・室長の岩崎潤氏(右) 久々に,ソニーらしい技術が現れた――。 2008 International CESでソニーが出展した近距離無線技術「TransferJet」のデモを見たときの,記者の率直な印象である。 TransferJetは超広帯域無線(UWB)の一種で,通信距離は最大3cmと短いながら,実効データ伝送速度で375Mビット/秒という超高速伝送を実現できる(Tech-On!関連記事)。 記者が「ソニーらしい」との印象を持った理由は,既存の業界標準技術にこだわらず,ユーザーの使い勝手をとことん追求した技術であることだ。 UWB無線を用いる技術には「Wireless USB」があり,ソニーも同規格の策定に参加している。だがソニーはあえて,独自技術の開発を手がけた。い