正月というのは新春とか言って、一年の始まりではあるのだけど、実際にはこれから本格的に冬になっていく訳で、冬というのは多くの生命にとって死の影が近づく時期で、終わりの季節でもある。だからということではないのだろうけど、ここ数日やたらと葬式が目につく。毎日、一日に一、二度は、葬儀の花環や白黒の幕のある家とか、駅前で案内する葬儀やの人とかを見かける。電車の窓からなんかも、あの白黒の幕がよく目につく。そういえばもう十年も前のことになるけど、ぼくの祖父が亡くなったのも、一月の初め頃だった。 人が死ぬという感覚が、だんだんと親しいものになってきた、という気がする。親しいもの、なんていうと誤解されるかもしれないけど・・・。さすがにまだ、自分が死ぬということに関しては、あまりリアルに考えられないのだけど、知っている人がこの世の中から居なくなってしまう、という感覚がかなり分るようになった、ということだ。でも