「お客さん、どこまで?」 「赤羽橋の交差点まで。急いでもらえる?」 「お客さん、綺麗だね。パーティーでもあるのかい?」 「そう、大切なパーティー」 ネオンの光が夜を華やかに照らす。 今日も混み合う道路を、私はタクシーに乗って軽やかに飛び越えていく。 白い携帯のバックライトが、さっきから青く点灯してる。 分かってるよ、ナオ。 もう20分も遅刻してるものね。 ごめん、もうすぐ着くから、待ってて。 心の中でナオに謝った。 「お客さん、着きましたよ。ここで宜しいんですか?」 「ありがとう。これ、お釣り要らないから」 そういって私はタクシーを飛び降りた。 時計は午後8時半を指していた。 東京タワーの光に照らされ、ほんのりオレンジ色に輝くアスファルトの道を歩き、レトロで洒落たビルのドアを開けた。 「真由美!?もー!遅いじゃない!」 そう言って出迎えてくれたのは、親友のナオだ。 私が来るまで、入り口で待