新幹線は東へ向かっていた。8月末、私は清原和博をめぐる旅の途中だった。取材で訪れていた三河安城駅から東京行きの終電「こだま」に飛び乗ると、リクライニングを倒して、息をついた。ふと、携帯電話を見ると、見覚えのない番号から着信が入っていた。誰だろう? そう思いながら、かけてみた。 「…………です」 電話の向こう側でくぐもった声がしたが、よく聞こえなかった。友人からのいたずら電話かと思った。 「あのお、この番号、登録されていないんですけど?」 聞こえたのか、聞こえなかったのか、電話の主はそれには答えず、話し始めた。 「ありがとうございました。感動しました。ただ、それだけ伝えたくて電話しました……。涙が止まらなかったです……。1日に、何度も何度も読んでいます」 受話器の向こうの声が震えていた。私は携帯電話を手にしたまま、デッキへと移動した。 8月10日に発売されたNumber「甲子園最
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