「税金の無駄遣い」と糾弾され、8年前は閉鎖寸前 休日には入場待ちの行列ができ、入館者数の前年比増を毎月達成している水族館がある。大都会のオシャレ水族館でも、人気観光地にある巨大水族館でもない。人口8万人ほどの愛知県の蒲郡(がまごおり)市にある竹島水族館だ。 展示している生き物は魚類のほか、大きい動物はアシカ、カピバラ。館長を含めたスタッフは7人のみ。建物は国内で2番目の古さ、水槽を軽く見るだけならば10分弱で歩き回れるほどの狭さ――。条件面では「しょぼい」としか言いようがない弱小水族館が、2016年度は39万8000人もの客を集め、17年度は耐震工事のために4カ月間の休館をしたにもかかわらず35万人を達成。本年度は43万人の目標を掲げている。わずか8年前は年間12万人ほどしか来ない不人気施設で、閉鎖寸前だったことが信じられない。 「館内はいつもガラガラで、寝そべっていても平気なぐらいでした
グラフィック・ノベル『Illegal』の作者オーエン・コルファー Yukari Watanabe/NEWSWEEK JAPAN <移民、黒人、女性、性的マイノリティなどへの差別が表層化したことで、社会問題への若者の意識が高まっている> 毎年5月末ごろの3日間、アメリカ最大のブックフェアである「ブックエキスポ・アメリカ(Book Expo America, BEA)」が開催される。これは版権やライセンスの取引が中心の国際見本市であるフランクフルトやロンドンのブックフェアとは異なり、おもに出版社が図書館や書店の関係者を対象に発売予定の新刊をPRするイベントである。このイベントに毎年参加すれば、アメリカ出版業界のトレンドの変化が肌感覚でわかる。 たとえば、近年のYA(ヤングアダルト)部門の台頭だ。ヤングアダルトは、主に高校生のティーンを対象にしたジャンルのことだ。 2000年代前半までのBEA
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