告白しよう。君について真っ先に思い出すのは、顔や声ではない。オッパイだ。ドレスからはみ出てしまいそうな大きなオッパイだ。帰宅途中に街頭で手渡されたティッシュ。裏返すと風俗店の小さなチラシが挟み込まれていた。チラシ全体を艶やかな桃色が覆う。その艶やかな色合いは初めて会ったときに君が着ていたドレスを思い出させた。マリナ。いま、君はどこにいるのだろうか? マリナ。僕が君のことを想うということ。それは痛みを伴う行為だ。わかるだろうか?君に。ズクズクと古傷が痛む感覚が。僕はずっと昔、右手の腱を切った。今でもたまに痛むときがある。医者は完治していると僕に告げるだけだ。だが痛みが僕を離さない。僕も痛みを忘れない。そういう感覚。僕にとって君は傷をつける鋭利な刃物であると同時に傷そのものだ。そして僕らの関係は過去にしか存在しない。過去について想いを馳せる。言葉にする。希望をみつける。夢を見出す。全てが終わっ