総選挙で全国最多の候補者数となった東京1区(千代田、港、新宿)は、有権者数が約46万人という 大票田。民主党の海江田万里氏と自民の与謝野馨氏の間で大激戦が繰り広げられたが、そんななか、 わずか652票という全国屈指の低得票数で落選したのが無所属の前田禎信氏(38)。「失業中で、 供託金300万円を没収されればスッテンテンで身動きできなくなる」という前田氏は、なぜ自爆覚悟で 出馬したのか? 前田氏は9人の候補者のうち最下位。当選した海江田氏とは約14万票もの大差をつけられた。しかも、 得票数が有効投票総数の10分の1を下回ったため、供託金は没収される。前田氏の実質的な選挙戦は 他の候補者より大幅に短い2日間だった。新潟市在住で「交通費もなく、東京の滞在費もバカにならない」 という経済的理由からだ。貴重な2日間は、東京・秋葉原の駅前でたった1人、拡声器も使わずに 白黒コピーのビラを配布した。「