183 おさかなくわえた名無しさん 2008/10/24(金) 02:41:11 ID:GsKnXeKk りんごの木の枝に1匹のいも虫が住んでいました。 ある嵐の晩、枝が折れいもむしはりんごに 掴まったまま木の下の川に落ちてしまいました。 「ぼくは、いずれ食べ物が無くなるか、干からびて 死んでしまうんだろうな」 そう思うと、いもむしはとても悲しくなりました。 「でも、あと1日だけ、とりあえず今日だけ生きてみよう」 そう思ったいもむしは、足元のりんごを かじり始めました。りんごの船が転覆しないように 気をつけて とうとうりんごも皮一枚を残すのみとなりました。 これ以上かじったら穴が開いて沈んでしまうでしょう。 「これで、ぼくのできることはもう何もないな」 そうつぶやいていもむしはじっと横になりました。 数日後、りんごの船から1匹の美しい蝶が飛び立ちました。