複雑な事情から、俺んちでEU圏某国の学生の滞在を引き受けることになった。彼は20代前半で、子供の頃から日本のアニメや漫画にどっぷりはまって、それが興じて日本語が達者になったという典型的な経歴の持ち主。滞在中、所用で俺んちに県議会議員をやってる叔父がやってきて、俺を含めた三人で世間話をする機会があった。 とにかく彼は、あこがれの秋葉原に繰り出して早朝から夜まで堪能するなど大満足の日々で、このまま日本に帰化しようかなどと半分本気で言い出すくらいの常時ハイテンション。当然ながらそのすばらしさを叔父にも力説し、日本が自分にとっていかに魅力的な国なのかを喜色満面に語るのだが、そんなコンテンツを数多く抱える日本は素晴らしいという彼に対して、叔父の一言で彼のテンションは急激に下がった。 「アニメとか漫画とかゲームとか、そういったものは所詮はサブカルチャーだ。君が熱中した何とかというゲームソフト(メタルギ