ブラウザ専業ベンダーとして唯一存在感を示すのが、ノルウェーに本拠を置くオペラソフトウェアだ。同本社で、一般利用者向けのブラウザ事業を統括する冨田龍起氏は、もともとは「Operaブラウザ」の一般ユーザー。開発側に転じた今は、万人のニーズを満たしつつも、個々人が使いやすいブラウザという理想像を描く。非パソコン機器を含めた「クロスデバイス戦略」を採るオペラの現状とこれからについて聞いた。 (聞き手は玉置亮太=日経コンピュータ) ――オペラソフトウェアは、主要なブラウザ・ベンダーの中で唯一といっていい専業ベンダーです。 そうですね。オペラの事業は大きく二つあります。一つは、私が統括している全世界のコンシューマ向け製品事業です。パソコンや携帯電話用のブラウザを無償で提供し、パートナー企業と売り上げをシェアする、という事業モデルが基本です。パートナー企業には、例えば米グーグルや米ヤフー、フィンランドの