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textと名文に関するtamaotのブックマーク (3)

  • 日記 - 無免許タクシー

    午前中、仕事してたら伯父さんから携帯に着信があった。 「あのな、○○(従兄弟)が今朝死んじゃったんだよ」 あまりにサラっと言うのでなんのことだかわからなかった。従兄弟は3兄弟の一番下で僕と同い年。嫌な気配を想像させるフシがないわけじゃなかった。それより伯父さんの『死んじゃった』という言葉が引っ掛かった。「そんなはずではなかったのに」というニュアンス。葬儀の段取りなんかについては聞けたけれど「なぜ」ということは聞けずに通話を切った。もうすぐ昼になりそうだったから午後イチで顔を出すことにして昼飯をった。普通にえた。ってるあいだ、もしも嫌な気配がそうだったとしても僕に何ができただろうとか考えているうちに、そうなるまで放っておいて、なにも死ぬこたあねえだろうなんて思う自分に腹が立ってきた。 静かだった。こんにちはと玄関で言うと赤い目をした真ん中の従兄弟が座敷から出てきた。仕事の関係の人らしき

    日記 - 無免許タクシー
  • ラブホテルをつくろうと母は言った - Everything You’ve Ever Dreamed

    家族でも恋人でも友人でもいいのだけれど、そういう大事な人を喪ったときの正しい感情ってなんだろう、なんて答えがないことを父の死を契機に僕は十代の終わりの一時期かなり真剣に考えていた。父が死んだとき僕が真っ先に思ったのは、悲しみでも、将来や生活への不安でもなくて、人間なんて簡単に死んでしまうんだな、エロの隠し場所には気を付けなきゃいけないな、というどうでもいいことだったりする。多感な18才だったので悲しかったのは間違いないのだけれど、前年の夏に祖母を亡くした直後ということもあって命が消えてしまう呆気なさに僕はただ愕然としていたのだ。 愕然としたあと僕はムカついた。というのも淡々と葬儀屋と打ち合わせをこなし、葬儀を執り行う母をみて親戚のオッサンどもが「少し休んだらどうだ」とか「泣いたっていいんだぞ」とか「これからの生活はどうするんだ」なんていちいち声を掛けてきたからだ。母のやりたいようにやらせ

    ラブホテルをつくろうと母は言った - Everything You’ve Ever Dreamed
  • あの夏、地上最大のオッパイが。- Everything You’ve Ever Dreamed

    ピーチジョンのエロティックな広告写真。ホームに滑り込む電車の騒音をバックミュージックに、それを舐めるように見ている僕の後ろを一人の淑女が通り過ぎて行った。振り返り横顔を見る。間違いない。彼女だ。あの夏、僕の人生を、僕の未来を変えてしまった地上最大のオッパイの主。ヴィーナス。声をかけようとしたが名前を思い出せなかった。あれほど追い求めた存在であったのに。 1991年の夏。高校三年生だった僕と悪友の西ヤンは腐っていた。真面目にやっている連中、反抗している連中、すべてを斜めから見ていた。授業。夏期講習。体育祭の創作ダンスの練習。すべてをサボタージュして大半の時間を第二校舎の屋上で潰していた。僕らは屋上を「ヘヴン」と名付けて、毎日のように、流れていく雲や富士山のシルエットを眺めたり、昼寝をしたり、買ってきたエロを模写するという意味のない行動をしていた。空は青く、太陽の陽射しは心地よかった。いつか

    あの夏、地上最大のオッパイが。- Everything You’ve Ever Dreamed
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