『東京トイボックス』は、面白いゲームを作るためなら労力も資金も惜しまない天川太陽と、天川が設立した「スタジオG3」を立て直すためにやってきたOL、月山星乃の、開発や経営を巡る戦いと、恋を描いた作品です。 ゲームの事しか考えておらず、面白い物を作るためならば納期も踏み倒していく天川は、無邪気な子供のようですが、ゲーム制作に対するこだわりの強さは称賛に値するもの。ついていかなければならないスタッフや、立て直しをすることになった月山は大変ですが、自分の好きなことに打ち込む人を見ていると、自然と応援する気持ちがわき上がってきます。 物語の展開が突然だったりする場面もありますが、ゲーム制作の裏側を楽しみながら読むことができます。仕事に対する天川のスタンスは、日々の中で忘れがちな情熱を思い出させてくれるのではないでしょうか。恋愛ものとしても、お仕事ものとしても楽しめる作品です。 『東京トイボックス』の