司馬遼太郎さんの対談集が面白いです。 文春文庫で、全10巻で発行されています。 関川夏央さんが監修をしていて、宗教、戦争、日本のはじまり、日本語、日本文明など、それぞれの巻にテーマが設けられています。 それらテーマを語る対談相手が、山折哲雄さん、井上ひさしさん、湯川秀樹さん、丸谷才一さん、大岡信さん、岡本太郎さん、梅棹忠夫さん、子母澤寛さんなどなど、とにかく豪華です。「当代の‘知’ここに集結!」といった趣きで、ページをめくりながらゾクゾクしちゃいます。 第8巻『宗教と日本人』の中で井上ひさしさんとの対談があります。 「日本人の器量を問う」というタイトルが付けられた、『現代』1996年1月号に掲載された対談です。司馬さんは1996年2月に亡くなったので、最晩年のものになります。 井上さんが1972年に『手鎖心中』で直木賞を受賞した時に司馬さんが審査員であり、なおかつ井上さんを激賞した縁で、二