「(1ポンド当たり)1ドル16セントでいいか?」 「米国とカナダは同じ価格で」 「明日から実施だ」 今年4月6日、米ワシントンのホテルで衝撃のビデオが公開された。味の素、協和発酵が加わっていた国際カルテルの現場を米連邦捜査局(FBI)が隠し撮りし、米司法省が編集したものだ。その生々しい映像は、ビジネスが国際化した今日、企業にとってカルテルがいかに危険な行為であるかを訴えてくる。 問題のビデオは、米法曹協会の定期会合の場で流された。当日になって突如、「カルテル行為の内情」と題した講義が追加され、テキストも配られた。そして、弁護士や大学教授など300人以上の法律専門家が約25分間、前代未聞の映像を目にした。 1993〜95年の撮影で、日米韓の5社が飼料添加物「リジン」を巡り、販売価格や販売量を不当に取り決めていた様子を映し出している。各社は既に有罪を認め、罰金支払いにも合意したが、こ