京都大学にどんなイメージをお持ちだろうか。京大と聞けば、自由の学風、学生の自治、森見登美彦が描いてきたような変わり者の学生たちを思い描く人が多いだろう。現総長の山際寿一氏も「おもろい」学生の育成が重要だと様々な場面で語っている。半ばイメージ戦略の側面もあるだろうが、大学側も、自由、個性の尊重などを特色として掲げていることがわかる。 しかし、学生たちに取材をすると、そのようなイメージ戦略に用いられる「自由」「個性の尊重」とはかけ離れた現状が浮かび上がってくる。 むしろ京都大学は、ここ数年で「不自由」になっている向きがある。多くの学生たちが、これまで京大らしさと謳われてきた自由や、個性を重んじる学風が失われつつあると感じているのだ。大学のなかで何が起きているのか。以下では学生たちへの取材に基づき、京都大学の変化の一端を描いてみたい。そこからは、大学の奇妙なまでの余裕のなさが垣間見えるはずだ。
![自由を謳う京大が「不自由」になっている…学生が語るその現実(野村 玲央) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/091954d2e82fcd66280b8c41795f10d83df2b818/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F2%2F3%2F1200m%2Fimg_23fbb1e9d83fabcbffb16fda3160bb10139121.jpg)