3紙で18年間働いた日本人記者が明かす 米国の新聞はなぜ瀕死の状態に陥ったのか 文/岩部高明(元「ニューズ&オブザーバー」写真記者) 5年後に自分の仕事はあるのか その夜、ダウンタウンのバー「アイザック・ハンター」は談笑する人々で溢れ返っていた。 米国ノース・カロライナ州の州都ローリー市の新聞社「ニューズ&オブザーバー」が主催した「フォト・ナイト」は、同紙の読者と写真記者の交流の場として設けられた。初めての試みだったにもかかわらず、たくさんの人が詰めかけ、私もスタッフ・カメラマンとして、訪れた人たちとの会話を楽しんでいた。今から2年前、2011年の夏のことだ。 このパーティーのホスト役を勤めたのは、同紙のトップ・エディターで編集責任者でもあるジョン・ドレッシャー氏。夜も更けて、人々が帰り始めた頃、私はバーの中ほどに立っていた彼に歩み寄り、催しが成功したことを祝福した。 同紙のみならず、新聞