ファインダー越しに、“マス”の照れ臭さが伝わってきた。18歳のころから、もう何度も取材を受けているだろうに、カメラが苦手だという。短い撮影時間の最後に、 「僕はそんなにやさしくないですよ」 そう言いながら、こちらの注文にすっと応えてくれた。 マスこと増嶋竜也は、今季期限付き移籍でサンガにやって来た。そして、開幕スタメンのポジションを取り、サンガのディフェンスラインを支える。 試合中の1対1での勝負の顔とはまったく違う普段の柔らかな印象。1日1万アクセスもあるという「竜也のブログ」。 来た当初は、名前を間違えられることもあるほど、京都では知られていなかった。遠いところから1人京都にやって来て、関西弁にもまだ慣れない。 だが、彼は孤独ではなかった。 多くのファンに支えられ、日々サッカーのことを考えて生きている。今一番恐いのはケガだと言い、不安を抱えながらもチームに溶け込み、サッカー