無意識に感じていたかもしれないものの再定義と、まったく気づかなかったものの提示。 漫画というものをもう少し理解する、そのやりかたがここに載っています。 というわけで、ちょっと感想的なことを少し。 「上巻・視点」の名のとおり、視点について考えることが一本の柱となっています。 物語が語られるとき、そこには視点がある。視点があるということは、その視点により視える世界が、認識がある。そして、たとえばキャラクターごとに並立しうる視点それぞれ、それらによる、漫画の中の世界──作者さんの、見ている世界。 それに近づき、体感することの楽しさを伝えている本だと思うのですが……うーん、私が本の内容を書こうとするとわかりにくくなるのは何故だろう。 そう、この本の脅威的なところは、なんといってもわかりやすさでしょう。すらすら読ませて止まりゃしない。 気がついたら読み終えていて、そして、今まで意識して