『数学ガール ガロア理論』の第10章(最終章)がそれまでの章に比べて難しくて挫折するという感想がけっこうあるようなので、その補足的な解説を試みます。『ガロア理論』第10章はガロアの第一論文を解説しているので、解説の解説ということになります。 定理4までと定理5を分ける第10章でおこなわれるガロアの第一論文の説明は、 補題1→補題2→補題3→補題4→定理1→定理2→定理3→定理4→定理5と進んでいきますが、ミルカさんはその途中で何度も、ガロアの第一論文のテーマが「方程式が代数的に解ける必要十分条件」であることを確認します。 なぜ何度も確認するかといえば、最後の定理5(方程式が代数的に解ける必要十分条件)以外は、一見したところでは「方程式の可解性」に関わることが見て取れないので、途中で確認を入れないと簡単に道に迷ってしまうからでしょう。定理2(≪方程式のガロア群≫の縮小)や定理3(補助方程式の
ドラクエ世界の形 パラレルワールドと被覆 被覆変換と被覆空間の住人たち 被覆のガロア対応 体のガロア理論 普遍被覆と基本群 文献 ヒルベルトの類体論 目次 ドラクエ世界の形 パラレルワールドと被覆 被覆変換と被覆空間の住人たち 被覆のガロア対応 体のガロア理論 普遍被覆と基本群 文献 ヒルベルトの類体論 ドラクエ世界の形 ドラクエ(に限らず色々なコンピュータゲーム)に関する定番の疑問(ツッコミ)のひとつに「あの世界はいったいどんな形をしているのか」というのがある。ドラクエやそのほか多くのゲームの世界では正方形の世界の北と南、東と西がつながっている。 しかし地球のような球形の世界はこのようにはなっていない。 おそらくこの疑問に対する標準の答えは 「あれは球形の世界ではなくドーナツ形(トーラス)だ」 というものだろう。 またそれと同じくらいありそうな答え方は「あの世界は球面ではなく真っ平らで、
方程式の解法の話からガロア理論にたどり着くまでの要点のようなもの。 ガロア以前 ガロアが論文を書くより以前にラグランジュ、ガウス、ルフィニ、アーベルらの研究により、次のような結果が得られていた。 2次3次4次の方程式について: 提案されてきた方程式の解法はどれも解の置換の性質と密接に関係している。(ラグランジュ) 5次以上の方程式について: 解の置換の性質を調べることにより、5次以上の方程式が一般的にはべき根で解けないことが証明される。(ルフィニ、アーベル) 円周等分方程式などについて: 解の置換の性質を調べることにより、5次以上でもいくつかのタイプの方程式がべき根で解けることが証明される。(ガウス、アーベル) ここからさらに進んで、任意の方程式についての解の置換(=ガロア群)の性質を考察したのがガロアだった、という流れになる。 対称性(シンメトリー) 方程式の対称性: 2次方程式の場合
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