第150回を迎えた芥川賞・直木賞を記念して行われたフェスティバルでスペシャル対談が実現! 小説家はいかにして「事件」と向き合い「事件」を描くのか? フィクションの新たな魅力を発見する 辻村深月×円城 塔 白熱討論 選考会の日に届いたメール ――まず、それぞれのご受賞当時の思い出からお聞かせいただけたらと思います。 円城 僕が受賞したのは、3回目の候補の時だったんです。芥川賞って、候補になるとすごく疲れるんですよ。それで選考会のちょっと前に発熱して、倒れてました(笑)。当日は、とくに待ち会もしないで、ホテルで寝てましたね。体調が悪いので少し横になったら本格的に寝ちゃって、選考会が始まってから「ああっ」と起きたほどで。 辻村 受賞が決まった後の記者会見は大丈夫だったんですか? 円城 熱は下がってたけど、だるかった。だから、かなりナチュラルな感じで「起きてそのまま来ました」みたいな会見になりまし