すべての生きものは数をかぞえている。チンパンジーや犬だけじゃない。鳥も魚もネズミもライオンもイルカも数をかぞえ、アリもハチも計算し、セミは素数の周期を把握していた!! 言語をもたない生きものも、食べて繁殖して生存するために、数を認識し、かぞえている。いや、計算すらしているのだ――この大胆な仮説を、認知神経心理学の第一人者にして数的能力の遺伝について研究を続けてきたロンドン大学名誉教授が検証。そんな知的好奇心を駆り立てる1冊『魚は数をかぞえられるか?』から注目の章をピックアップ。 哺乳類の仲間の中で、素晴らしい計数の能力を持つネズミだが、脳の重さは0.5グラムにも満たない。一方、クジラは巨大な脳を持っている。たとえば、マッコウクジラ(学名:Physeter macrocephalus)は、地球上のあらゆる動物の中で最大の脳を持ち、その重さは大人のオスで7.8キロもある。人間の脳は、約1.4キ