先週の連載記事では、トヨタが本気で変わろうとしているのではないかということを書いた。 従来のトヨタ車は、いわゆるショールームアピールに優れた製品だった。チリ(隙間)が正確に合っていたり、シートのアレンジが多彩だったり、日常的な使い勝手を考えた小物入れが充実していたり。それは決して無意味だったわけではない。家族の道具として意義のあるものだった。 トヨタにはもう1つ強みがあった。それはカタログデータだ。象徴的なのは燃費である。他社の競合製品と比べて数値で絶対に見劣りしない。家族会議を開いたら、トヨタのクルマが選ばれるように緻密に計算されていたともいえる。 ドライバーカーとしてのトヨタ では、ドライバーカーとしてのトヨタがどうだったのかといえば、そこには他社に抜きん出た圧倒的な強みがあったとは言えない。それはトヨタ自身が制作した「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の広告を