手塚治虫のエッセイ、「どん底の季節」(講談社全集版手塚治虫エッセイ集6巻所収、書かれたのは1986年)は、虫プロ倒産のころを回想した文章です。 これによると、1972年8月の虫プロ商事労組との団交で手塚はへろへろ。争議のきっかけは外部から勧誘した幹部とスタッフとの対立だったとしてあります。 実のところ当時、新左翼といわれている活動家が意気軒昂だった時代で、わが社の労組も、これらの活動家のある派と結びついていたのだった。それだけに強硬でかたくななのだった。 これが先日までぼくと和気あいあいとマンガについて語り合ってきた仲間だったのか、この変わりようはなんとも悲しい。いまは資本家と労働者の関係なのだ。 争議終了後、社員のほとんどが嫌気がさして退社してしまうという結末だったと。手塚の文章はちょっと眉に唾つけて読む必要がありますが、当時の虫プロの経営状態についてはともかく、団交にはよっぽどまいった
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