国の天然記念物に指定されている奈良公園(奈良市)のシカが観光客から菓子を与えられ、病気になるケースなどが相次いでいるとして、公園を管理する奈良県は、園内で販売されている「鹿せんべい」以外の餌付けを条例で禁止する方針を固めた。 公園のルールを定めた県立都市公園条例を改正し、違反者には5万円以下の過料(行政罰)を科すことを検討しており、2018年度からの施行を目指すとしている。 保護団体「奈良の鹿愛護会」によると、奈良公園には約1200頭のシカが生息し、芝や木の実、イネ科の植物などを主食としている。江戸時代からおやつとして与えられてきた鹿せんべいは、米ぬかや小麦粉を焼いて作られるため無害とされ、現在は愛護会の登録商標として、売店などで10枚入り(150円)で販売されている。