昆虫を埋葬している「昆虫天国」=兵庫県尼崎市の「愛ペットセレモニー尼崎」で2021年9月29日午前11時22分、中村清雅撮影 昆虫もきちんと供養したい。そんな思いに応える「昆虫葬」が静かに広がっている。サービスを提供する企業に申し込みが急増しているのだ。その背景には何があるのだろうか。【中村清雅】 【写真】「昆虫天国」の前で行われる僧侶による法要 ◇「ごみと一緒は抵抗」 「娘の教育の一環でカブトムシを飼っていたので、死んだら生ごみと一緒に捨てるのは抵抗があった」 昆虫葬をした兵庫県西宮市の自営業、福井貴行さん(45)は語る。小学2年の長女が約3カ月間、育てていた雌のカブトムシが9月に死んだ。屋外の公園に埋めることも考えたが、死骸に付いた病原菌が地域の生態系に悪影響を及ぼすことを懸念した。可燃ごみとして捨てるか悩んでいた際、インターネットで知った昆虫葬に申し込んだ。「カブトムシが死んで娘も悲