台湾の国防部(国防省に相当)が1日付で立法院(国会)に提出した中国軍に関する非公開の年次報告書で、中国海軍の艦隊が今年初め、米ハワイを含む「第3列島線」に初めて接近して訓練を実施したと指摘していることが3日までに、分かった。小笠原諸島や米領グアムを結ぶ「第2列島線」を越え、米国がインド太平洋軍司令部を置く戦略拠点のハワイを攻撃できる能力を誇示した。 報告書は、南海艦隊(司令部・広東省湛江=たんこう)の遠洋航海艦隊が年初に「第3列島線に初めて接近し、(第1、第2)列島線の封鎖を突破し遠海で作戦を行う実力を対外的に示した」と指摘。中国本土から離れた海域での指揮管制能力と長期間の航海、洋上での艦艇整備などの能力を検証したと記した。中国海軍が米領グアムだけでなく、さらに遠方のハワイを含む第3列島線を脅かす戦略的な構図を示した。 第3列島線は、アリューシャン列島やハワイ、南太平洋の米領サモアを経てニ