博物館で貝類学者・大山桂博士の蔵書の寄託を受け入れることになりました*1。大山桂博士(1917-1995)は文献記述を重視する研究スタイルから、個人で大量の文献を収集していました。この蔵書は大山博士が晩年に研究員を勤めた鳥羽水族館で保管されていましたが、長期保存により適した環境に置くとともに、調査研究・普及教育での活用を進めるため、当館に寄託されることになりました。18〜19世紀の西洋の貝類図譜を含む、書架延長約270メートルという超弩級の文庫で、貝類学ではおそらく東アジア最大級です。この蔵書を受け入れるにあたり、問題になったのは燻蒸(殺虫)処理です。鳥羽水族館での蔵書の保管場所は害虫の非管理下だったため、博物館の収蔵庫に入れるにあたって燻蒸処理が必要でした。移送に伴う大量の文献資料の殺虫処理はあまり例がないと思いますので、メモがてら記録をしておくことにします。 計算すると、受け入れ予定の