ダウン症の女の子の買い物に付き添うことがある。何を買うのかは本人が選び、小遣いの範囲内で購入する。本人が働いて得た給料で買い物をするのだから何を選ぼうと口出し手出しは無用。ヘルパーはこうした付き添の仕事もする。 買い物を楽しむ姿を見ていると、親に付き添われ買い物していた自分の幼少時を思いだす。私の母は随分とヒステリックに「早く!」とか「だめ!」とせっかちにせっついてくるので買う楽しさが半減してしまい、よく祖母を買い物に連れ出しダダをこねて買ってもらっていた記憶がある。年寄りの気の長さにかこつけて購入に至るまで存分に物を吟味しゲットするというのは、この上ない満足感であった。 そんなことを思いだしながら店内を物色しているうちに買い物支援は佳境を迎える。買い物カゴに欲しい物を入れる動きがピタリと止んで、時おり無言で私の顔を見上げ神妙な顔つきをする。これはレジへ行こうという合図だ。何でもかんでもポ