花園中学は、頭がお花畑の人間が通う中学ではない。花園という地域に存在している、まともな中学校だ。その花園中の文芸部には、有象無象の人々がいる。 僕もその一人で、名前は榊祐介。二年生になる僕は、厨二病まっさかりのお年頃だ。そんな僕が、部室でやっていることは、備品のパソコンで、ネットを巡回して、何の役にも立たないネットスラングを調べて喜ぶことである。 えっ? 文芸部として、まともな活動をしろ? 大丈夫ですよ、していますよ。「今」を切り取る「旬の文章」を書くために、「最新の言葉の流行」を追うのは、大切なことです。ネットは言語の最先端。その最先端のエッジな掲示板サイトを、僕は今日も巡回しています。 三年生三人、二年生三人、一年生一人の文芸部。先ほど、有象無象の人ばかりと書いたけど、その中にもまともな人はいます。掃き溜めに咲く、一輪の可憐な花のような少女。それが、三年生で先輩の、雪村楓さんだ。三つ編