電話機の右下にある「#」は「NUMBER SIGN」なのか「MUSIC SHARP SIGN」なのか、という質問をもらった。歴史的に見れば、もちろん「NUMBER SIGN」だ。ただ、それを言うなら、左下の「⚹」は、どう見ても「SEXTILE」に見えるが、歴史的には「ASTERISK」ということになる。少し歴史を紐解いてみよう。 1961年にAT&TがTouch-Toneを実験しはじめた際には、電話のボタンは10個しかなかった(『Bell Laboratories Record』1961年9月号pp.312-316)。これにボタンを2つ追加するにあたり、Bell Telephone Laboratoriesは、とりあえず「☆」と「◇」を割り当てた。しかし、電話をコンピュータの端末として用いるのなら、これらはASCIIから選んだ方がよいのではないか、という議論となり、「☆」と「◇」に比較的類