高級エレキギターで知られる米ギブソンが経営破綻した。若者のロック離れが言われるなか、エレキはもはや、時代遅れの「遺物」になってしまったのか。 椎名林檎さん エレキギターに最初に触れたのは中学3年生のときです。見よう見まねで弾き始めて、持ち歩いてはずーっと触っていました。 高校では同時に八つぐらいのバンドを掛け持ちしていました。ドラムやオルガンやベースなども担当しました。 私がエレキギターに担ってほしい役割というのは、当時からはっきりしていました。「いらだち」とか「怒り」「憎しみ」……。「やり場のない悲しみ」とか、そんな「負の感情」の表現をするときに登場するのがエレキギター。ひずんだ音色、ノイズが必須です。 そうすると声も共鳴して、「エレキ声」になる。そこに気づいていたので、曲づくりでも「負の感情」を書くんだと認識していました。いまでもエレキギターはそういう役割、もしくは「軋轢(あつれき)」