谷口源太郎(スポーツジャーナリスト) 【第11回】 2008年12月22日 遺伝子組み換えにまで行き着いた 「ドーピング問題」の深刻さ 北京オリンピックの男子ハンマー投げで2位、3位となったベラルーシの2選手のドーピング(禁止薬物使用)による失格で、5位だった室伏広治選手が繰り上げで銅メダルを獲得することになった。 銅メダル決定でも 室伏選手の複雑な心境 それにしても、IOC(国際オリンピック委員会)理事会がドーピング違反を認定し、2選手のメダル剥奪を決めるのにオリンピックから4ヵ月近くも掛かり、室伏選手は複雑な心境を窺わせた。オリンピックの表彰台で賞賛を浴びることのない銅メダルについて室伏選手は、世界のトップを競い合う競技者の矜持を示した。 「今回、銅メダルをいただくことになりましたが、このメダルは多くの方々のドーピング違反に対する厳しい声と受け止めています」 今回メダルを剥奪