岸 博幸(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授) 【第36回】 2009年04月17日 100年に一度の霞ヶ関バブル 誰も書かない追加経済対策の正体 天の声で予算が一桁増えて、官僚もびっくり! 4月10日に麻生総理が“経済危機対策”を発表しました。国費(財政出動)15.4兆円、総事業規模56.8兆円という過去最大のとてつもない規模の経済対策となりました。この対策で本当に景気浮揚効果があるのか、どう評価すべきかを考えてみたいと思います。 本当に困っているところに 予算が回らない可能性が高い まず間違いなく言えることとして、今回の経済対策は短期的にはそれなりの景気浮揚効果を発揮するでしょう。公的部門で15兆円もの需要追加を行うのですから、それは当然です。その意味で、こうした大規模な財政出動を決断した“政治の意思”は高く評価されるべきではないでしょうか。 しかし、そうした“政治の