横浜港にかかる横浜ベイブリッジをくぐり抜け、しばらく進むと船が止まった。 遺族が船室からデッキに移動し、散骨が始まる。水溶性の袋に収められた遺骨を海に流し、献花、献酒と続く。遺族が船室に戻ると、船は散骨した場所を3回旋回。お別れの汽笛が海に響き渡った。 【写真】「海洋散骨」はこんなふうに行う ■「夫と海でつながりたい」という思い 散骨式を執り行った遺族に伺うと、故人の夫は第2次世界大戦で南洋において戦死。自分が亡くなった際には「夫と海でつながりたい」と言っていた。その遺志をかなえるための海洋散骨に、親族からの反対も特になかったという。 海洋散骨式を施行したシー・ドリーム(神奈川県座間市、ブランド名は「海洋散骨プロデュース珊瑚礁」)は2010年の設立。葬儀関連業界と旅客船業界の両方で働いた経験を持つ今井健夫社長は創業の経緯をこう語る。 「マリーナの支配人をしていた際、葬儀社から散骨施行のため