国際結婚でカナダに移住するなら、ハーグ条約についての理解を深めることが大切です。ここでのハーグ条約とは、両親が別居した場合、その親権など子に関する取り決めは「別居の時点で子が両親と暮らしていた国の法律によって決められる」とする国際条約のことです。 カナダで結婚した日本人が、別居時にもカナダで暮らしていたなら、その法手続は、カナダの法律で進めることになります。特にカナダの親権制度は日本のそれと大きく異なるので要注意です。 そこで、今回はハーグ条約とカナダの共同親権制度についてエキスパート弁護士ケン・ネイソンズに聞いてみました。 カナダの親権 日本でもカナダでも、両親が離婚する場合、まず子供の親権者を決めなければなりません。日本では、親権者欄にそれぞれの子の親権者名を記入した離婚届の受理によって子供の親権者が決まります。これを単独親権と呼びます。 一方カナダでは、離婚後も父母双方が親権を持つこ