言っちゃったもん勝ち、としか思えないことばがある。 前にも書いたような気がするけど、あまりに鮮烈な記憶として残っているのでもう一度書くと、いまから20年以上前の1995年、堺屋太一さんが『大変な時代』という本を出版された。正確には「大変」の文字にカギカッコがついた『「大変」な時代』という表記なのだけど、そして実際に読めば国際化や情報化、高齢化など、社会の構造変化に警鐘を鳴らす先駆的な内容の本なのだけど、くそ生意気な地方大学生にすぎなかったぼくは「なんでもありかよ」と思った。いつだって「大変な時代」だよ、と。 同様のツッコミを入れたくなるのが今年の下半期に入ってから急激に増えてきた、「平成を振り返る」系の報道・コンテンツだ。 そこにはたいてい「激動の平成30年史」みたいなコピーがつけられている。もちろん明治だって大正だって、いわんや昭和の60数年だって、いつの時代もそう振り返ろうと思えば「激