書評に興味を持って『水はなんにも知らないよ』(左巻健男著)という新書を読んだ。いわゆる「ニセ科学」の問題を取り上げた本で、ニセ科学が抱える問題点と科学リテラシーの必要性について触れている。 著者はニセ科学を「科学で使われる用語を使い、科学っぽい雰囲気を持たせているが、本物の科学ではないもの」としたうえで、「科学的な雰囲気を持つ用語を散りばめることで、科学への理解は浅いにもかかわらず科学的な雰囲気には弱い人たちの心理を、効果的に突いてくる」と警鐘を鳴らす。 ニセ科学に共通するキーワードとして「波動」「共鳴」「クラスター」「マイナスイオン」「エネルギー」「活性」などを挙げている。「水ビジネス」を中心に、科学的にもっともらしい理屈をつけることで消費者を信用させる「怪しげな商品」も例示している。 ニセ科学を用いた道徳の授業が行われるなどの現状に危機感を持った科学者たちは問題提起を始めており、インタ
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