映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語』 まずはTV版の『まどマギ』について。 私は本放送をリアルタイムで見た。最終回以外はゲタゲタ笑って楽しんだ。ゲタゲタ笑って楽しむ、という以上のものではないし、以下でもない。ためつすがめつして眺め回したり、唖然としたり、「あれがああだったら、これがこうだったら」と益体もない妄想にふけったり、といった楽しみを引き出せる作品ではない(最終回以外は)。ただ、ゲタゲタ笑えることは間違いない。 ゲタゲタ笑えるとは、どういうことか。一発ネタ、というのに近い。さらに言い換えれば、「お前それは無理すぎるだろ!」と突っ込んだら負け、というのに近い。「お前それは無理すぎるだろ!」と思っても突っ込むのは野暮、「どんだけ無理だよ!」とゲタゲタ笑って続きを楽しむ、というスタンスを視聴者に求める作品が『まどマギ』である。 『まどマギ』における無理は、もっとも端