好業績の裏に現場力あり。不況下で輝きを増す現場力をシリーズで探る増益企業スペシャル。第2回はセブン銀行。 セブンイレブン店舗などに1万4000台近いATM(現金自動預け払い機)を設置し、ネットワークで接続した提携金融機関からの手数料収入で潤う。この独自のビジネスモデルで、大手行が赤字転落するほどの金融危機をものともせず、成長を維持している。2009年3月期の業績は、経常収益が905億円、経常利益が277億円、純利益が164億円と、いずれも過去最高を記録する見通し。 セブン銀行の成功は、ITが支えるビジネスモデルの完成度だけで語られることが多い。しかし、価値観を共有する現場がなければ、新たなサービスがスムーズに顧客の支持を確立することは難しかった。安斎隆社長は、「信用第一」「顧客主義」という基本を愚直に社内に徹底させてきたと言う。 (聞き手は日経ビジネスオンライン編集長 廣松 隆志) ――