初めてこの異物体を目撃したのが、いつだったか、どこだったか、ちょっと思い出せない。おそらく、何かのメディアの片隅で見かけたのかもしれない。でも、その妖しくグロテスクとも言える美しさと、存在感のインパクトが、ボクの心の中にトゲのように、ずっと引っかかっていた。 そんな謎の物体が、東恩納裕一さんというアーティストの作品だということを知ったのは、恥ずかしながら、ごくごく最近のこと。 蛍光灯という、合理性の象徴のような照明器具が、複雑に絡み合い、むき出しのケーブルで繋がれ、電流を送り込まれることで、とても艶めかしく妖しい存在として生命を宿すようになる。 そうか、それがデザインにはできない、アートの力によるものだったのか... と、心に引っかかっていた訳が、すっと腑に落ちる感じ。 しかし、作品に対して、こんな簡単な言葉で片付けてしまうと、怒られてしまうかもしれないけど、やっぱりこれは文句なくカッコイ