東京都千代田区の地下鉄九段下駅で16日未明、ホームの真ん中で東京メトロ半蔵門線と都営新宿線を隔てていた壁の撤去工事で、最後に残っていた仮囲いの撤去が始まった。これまで乗り換えには階段を上り下りし二つの改札を通る必要があったが、同日の始発からホームの反対側に行くだけで済む。 この壁はメトロと都営の経営統合を唱える猪瀬直樹都知事が、不便さの象徴だとして「バカの壁」と名付けていた。撤去されたのはホーム全長210メートルのうち約90メートル分で、改札階の改装も含めた費用は約12億円。1年3カ月前から工事を始めていた。 ただ、このホームに止まる両線は行き先が反対方向のため、1日の乗り換え客はメトロと都営を合わせた利用者計約22万人のうち2000人程度という。【佐々木洋】