建築物として文化的価値の高いJR東京駅前の東京中央郵便局を鳩山総務相が2日午前、視察した。建て替え工事の準備作業が進んでいるが、鳩山総務相は「利益追求主義で重要文化財級の価値ある建物の一部を壊したのは、国の恥だ」と発言。改めて、日本郵政に再開発の中止を求めていく考えを示した。 東京中央郵便局は1931(昭和6)年の完成。近代初期モダニズムを代表する建築物として知られる。鳩山総務相は約30分間、工事現場を視察した。終了後、記者団に「工事は相当進んでおり、泣きたい気持ちだ。保存すべきかどうか世論に聞いてみたい」と語った。 日本郵政は経営基盤を強化するため、不動産ビジネスを新たな収益源にする方針。東京中央郵便局も昨年6月に再開発を決定。大成建設が919億8千万円(税込み)で落札し、地上38階建てのJPタワー(仮称)を11年度中に建設する予定。