ブックマーク / tojikoji.hatenablog.com (11)

  • 【書評】1/2の確率で、密猟アワビを食べているかもしれない衝撃『サカナとヤクザ』 - Under the roof

    サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う 作者: 鈴木智彦 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2018/10/11 メディア: 単行 この商品を含むブログ (1件) を見る 暴力団の資金源といえば? と聞かれると、僕は安直に「賭博」「風俗」「薬物」みたいな、闇の深いものばかり思い浮かべてしまう。 僕みたいな平凡で想像力に乏しいインドアサラリーマンにとっては、暴力団というものは全く関わりがなく、これからも関わることのない完全な「裏の世界」のものだと思っていた。 ところが、だ。 書では、自分たちが普段べている魚介類と暴力団の密接な関わりについてが暴かれる。 なにせ、アワビは日で取引されるうちの約45%が違法な密漁によるものだという。たまに奮発して行く寿司屋で口にするアワビの1/2が「違法なもの」かもしれないのだ。 ほぼシームレスに我々の事と暴力団が繋がっている。

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    te_k000 2018/12/20
  • 【書評】個人的にツボすぎなので次回作以降も全部読みます『半分世界』 - Under the roof

    半分世界 (創元日SF叢書) 作者: 石川宗生 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/01/22 メディア: 単行 この商品を含むブログ (3件) を見る うわあああ凄い…!マジかこれ完全にツボすぎるだろもうずっと読んでたいよこの作品の感じ…もうこれ次回作以降も絶対全部読んでやるわ…!! って思うくらい個人的にツボでした。最高。 と同時に、僕は面白いんだけど、ひとにお勧めするときに紹介方法に困る小説たちだなというのも感じた。 上田岳弘さんの作品のように不可思議すぎて紹介が難しい。 紹介文だと一応、SF短編集…なんだが、日常の思考実験のようなテイストなのでハードさはない。どちらかというとカフカみたいな不条理設定を突き詰めて、それを絶妙に面白く日常に落とし込んでいったような…そんな感じ。「筒井康隆っぽい」という評価には納得。 短編というより中編の長さのお話が4つ収録されている

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    te_k000 2018/12/12
  • 【書評】これは…スタンド攻撃!?『ユービック』 - Under the roof

    ユービック (ハヤカワ文庫 SF 314) 作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1978/10/01 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 175回 この商品を含むブログ (107件) を見る 個人的に、ミステリーには2種類のパターンがあると思っている。 ひとつは、初めに大きな謎がドーンと提示されて、それについて主人公たちが徐々に解いていくパターン。 J・P・ホーガン『星を継ぐもの』とかが好き。最初の謎のインパクトが大きいほうが引き込まれやすいし、それが解けていくカタルシスが読んでいて気持ちいい。 もう一つが、後半にどんでん返しが待っているパターン。 殊能将之『ハサミ男』あたりが有名だけど、個人的に好きなのはピエール・ルメートル『その女アレックス』。 その女アレックス (文春文庫) 作者: ピエールルメートル,橘明美 出版社/メーカー

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    te_k000 2018/11/13
  • 【書評】小説よりも不気味な未解決事件に挑む『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』 - Under the roof

    死に山: 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相 作者: ドニー・アイカー,安原和見 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/08/25 メディア: 単行 この商品を含むブログ (1件) を見る ちょっと前にネットを賑わせていた書。アマゾンで在庫不足のためか定価より1,000円以上高値で売られていた時期もあったらしい。 まずは書の内容紹介を引用したい。 1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故。 登山チーム九名はテントから一キロ半ほども離れた場所で、この世のものとは思えない凄惨な死に様で発見された。 氷点下の中で衣服をろくに着けておらず、全員がを履いていない。 三人は頭蓋骨折などの重傷、女性メンバーの一人は舌を喪失。 遺体の着衣からは異常な濃度の放射線が検出された。 最終報告書は「未知の不可抗力によって死亡」と語るのみ――。 地元住民に「死に山

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    te_k000 2018/11/08
  • 【書評】アメフラシに癒しを求めて…『無脊椎水族館』 - Under the roof

    無脊椎水族館 作者: 宮田珠己 出版社/メーカー: の雑誌社 発売日: 2018/06/21 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る 個人的にツボ過ぎる一冊。僕が読書する理由は、こういうに出合いたいからにほかならない。この面白さは『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』に近い。 書の著者はエッセイストの宮田珠己氏。もともとエッセイストの書く文章なので面白いのは当たり前なのかもしれないが、そこに水族館での無脊椎動物めぐりというディープなシチュエーションがくっついている。 目次を見ると、様々な水族館が章ごとに紹介されている。そのすべてにおいて、著者は自分の好きな無脊椎動物であるイカ、エビ、貝、クラゲ、アメフラシや、背骨のあるやつでもエイ、マンボウ、タツノオトシゴなどの、マイナーな生き物たちについてばかり書いている。 著者は無脊椎動物の研究者ではない

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    te_k000 2018/10/22
  • 【書評】バナナの皮は本当に危険です『とんでもない死に方の科学:もし〇〇したら、あなたはこう死ぬ』 - Under the roof

    とんでもない死に方の科学: もし○○したら、あなたはこう死ぬ 作者: コーディー・キャシディー,ポール・ドハティー,梶山あゆみ 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/06/07 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 目次を眺めているだけでも面白い。不謹慎だけどワクワクする。 まず最初が「1.旅客機に乗っていて窓が割れたら」 思い出すのは、ジョジョ5部のノトーリアスB.I.G戦。 ミスタが見つけた指の骨っぽいものを、ブチャラティがスティッキー・フィンガーズで機外へ排出するシーン。ナランチャがめちゃくちゃ焦った様子で「空気が一気に外に出て大変なことになるって聞いたぞ」的なことを言ってジョルノやアバッキオまでビビっていた。 ジョジョってこういう妙な知識をたまに提供してくれるんだが、あれが正しかったのかは書を読めばわかるわけだ。 確かに機内と外の気圧の違いによる減圧が起

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    te_k000 2018/10/11
  • 【書評】うわっ…この人のサメ好き、ヤバすぎ…?『ほぼ命がけサメ図鑑』 - Under the roof

    ほぼ命がけサメ図鑑 作者: 沼口麻子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/05/10 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 前回読んだ、【書評】ドM科学者の異常な愛情『蜂と蟻に刺されてみた』 - Under the roof に続き、また読んでしまった「生物学者の異常な愛情」シリーズ。今度はサメ。 確かにサメは魅力的で面白い生きものだ。 我が茨城県にはサメの展示数日一を誇る「アクアワールド大洗水族館」があり、巨大水槽で泳ぐサメたちを見るのは当に素晴らしい。子どもを連れて行ったのに、大人のほうが夢中になって眺めてしまう魅力がある。 で、書はサメ好きが過ぎて自らを「シャークジャーナリスト」と名乗る著者による、丸々一冊サメについて書かれた。 生物としてのサメの解説だけではない。「ジャーナリスト」らしい日海外の海で実際に潜って調査したサ

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    te_k000 2018/10/03
  • 【書評】わたしの考えは、わたしのコミュニティにあります『知ってるつもり――無知の科学』 - Under the roof

    知ってるつもり――無知の科学 作者: スティーブンスローマン,フィリップファーンバック,橘玲,土方奈美 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/04/04 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 何でも知ってると勘違いして思い上がるな、という「戒めのための」かなと思ったら、全然違った。 むしろ、なぜ人は良く分かっていないことについてそんなに気にせずに生活できるのか、ということを詳しく掘り下げただ。 例えばトイレやファスナーについて、それがどういう仕組みで動いているか説明しなさいと言われると、驚くことに多くの人がその構造について詳しく説明することができない。書の解説や絵を見れば一目瞭然なんだが、それでも確かにこれを読むまでは自分でもよくわかってなかったかも…となる。 ほかにも自転車のフレームの絵に「正しくチェーンとペダルを書き込む」というテ

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    te_k000 2018/07/31
  • 2018年上半期に読んだ本のベスト - Under the roof

    もう2018年半分終わるのか… ついこの間息子にクリスマスプレゼント渡したばかりの気がするし、4月に子どもたち3人とも保育園で進級したから既に新しいクラスになって3か月たつのに、いまだに前のクラスに連れて行きそうになるしで、いまだに体が2018年に慣れてない。 ただ、個人的に半年に一度のルーティーンとして上半期下半期それぞれで読んだのおススメをまとめることにしているので、今回も少ないながらフィクション、ノンフィクションそれぞれを3冊ずつ、印象に残ったたちを紹介したい。 まずはフィクション ◆Ank: a mirroring ape Ank: a mirroring ape 作者: 佐藤究 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/08/23 メディア: 単行 この商品を含むブログ (5件) を見る 2026年、京都。テロや略奪行為ではなく、「人がそれぞれお互いに殺し合う」という

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    te_k000 2018/06/28
  • 【書評】渇きさえ感じるミステリー『サハラの薔薇』 - Under the roof

    サハラの薔薇 作者: 下村敦史 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2017/12/21 メディア: 単行 この商品を含むブログ (1件) を見る 主人公である日人考古学者の峰が、エジプトで発掘調査をしているところから物語は始まる。 今まで大した発掘の成果を発見できていなかった峰が、王家の墓から石棺を発掘する。そこに入っていたのは、なぜか死後数か月のミイラ化した死体だった。 この死体を発見してしまったせいで、その夜に峰は何者かの襲撃を受ける。何とか難を逃れるが、その後乗ったフランス行きの飛行機がなんとサハラ砂漠に墜落してしまう。 墜落を何とか生き残ったものたちで、助けを求めオアシスを目指し歩いていくことになるが、その道中で様々な危機に巻き込まれ、さらには自分がミイラ発掘により襲われた謎、そしてエジプトからフランスへ向かっていたはずの飛行機がなぜサハラ砂漠に墜落してしまったか

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    te_k000 2018/06/26
  • 【書評】中国のSF作家はどれだけ未来を見ているんだよ…『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』 - Under the roof

    折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036) 作者: 郝景芳,ケンリュウ,牧野千穂,中原尚哉,大谷真弓,鳴庭真人,古沢嘉通 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2018/02/20 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 『紙の動物園』『母の記憶に』の両方がとんでもなく面白かったケン・リュウが選出したSF短編集。で、これもまた全作品ハズレなしの最高の短編集だった。 そもそも中国SFとはなんぞやと。SFの世界に中国風のドラゴンや拳法とかが出てくんのかななんて安易な発想してたんだが、こんな想像に対して書冒頭においてケン・リュウ自身が「序文」として、 “100人のさまざまなアメリカ人作家や批評家に、"アメリカSF"の特徴を挙げるよう頼むところを想像してみてください──100の異なる回答を耳にするでしょう。おなじこと

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    te_k000 2018/06/20
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